【関西】電気料金値下げ 競争激しく

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180629/0002287.html

電気料金値下げ 競争激しく
06月29日 18時07分
関西電力は、福井県にある大飯原発3号機と4号機の営業運転を受けて、7月1日から電気料金を平均で5%余り値下げします。
対抗する新電力も同じ日に値下げすることにしていて、関西の電気料金をめぐる競争が激しくなっています。

関西電力は、大飯原発3号機と4号機の営業運転を受けて、7月1日から、電気料金を平均で5.36%値下げします。
本格的な値下げは、同じく福井県にある高浜原発が営業運転した去年に続いて2年連続です。
関西電力など大手電力会社は、東日本大震災の後の原発の停止で、代わりの火力発電の燃料費が負担となり、電気料金を相次いで値上げしたため、新規参入の新電力に顧客を奪われました。
関西電力は、「2回の値下げで、電気料金は東日本大震災の前の水準にほぼ戻った」として、営業活動に力を入れています。
大阪・西区にある日本茶の販売店は、東日本大震災以降、電気代を抑えるために今も店内の照明を一部消して営業しています。
さらに、少しでも安い料金を求めて、2年前、新電力に切り替えました。
しかし、今回の値下げで、現在契約している新電力よりも、電気とガスをあわせた支払額が年間で6500円余り安くなることがわかり、契約を戻すことを決めました。
日本茶売店の店主の女性は「経営者としては、むだな経費はなるべく減らしたいので、電気料金が安くなるのは渡りに船だと思いました」と話していました。
関西電力お客さま本部の花木耕太朗さんは「値下げ後の新しい料金はお客様の反応もよく、手応えを感じていて、営業としても自信を持って活動できている」と話していました。
一方、対抗する新電力も続々と値下げを発表しています。
大阪府南部を中心におよそ3万3000世帯に電力を供給している大阪いずみ市民生活協同組合は、関西電力と同じく7月1日から電気料金を値下げします。
値下げの幅は、平均的な使用量の家庭で7%以上。
自前の太陽光発電所を持っていることや、関西電力以外の発電所と提携していることで、電気を安く仕入れることができるほか、経費の削減も進めたことで、関西電力を超える値下げを実現しました。
大阪いずみ市民生活協同組合の藤山聖彦常務理事は「電気の品質は同じなので、価格競争から逃げてはいけないと考えている。競争環境は厳しく、新規参入した事業者でやめるところもあるようだが、消費者の選択肢を確保するためにもがんばりたい」と話していました。
新電力ではほかにも▼大阪ガス、▼東京電力エナジーパートナー、▼ジュピターテレコム、▼KDDIなども7月1日から電気料金を値下げすることにしていて、関西の電気料金をめぐる競争が激しくなっています。