【山口敬之/準強姦揉み消し問題】日本の#MeToo道半ば、伊藤詩織さんが現状語る【北村滋/中村格】[03/17]

[2018年3月17日13時58分] 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/general/news/201803170000411.html

自身への性暴力被害を告発したジャーナリスト、伊藤詩織さん(28)が16日、米ニューヨークの国連本部で記者会見し、セクハラ被害を訴える「#MeToo」(「私も」の意)運動について「日本では欧米に比べ大きな動きになっていない」と述べ、被害者が声を上げにくい状態が続いているとの見方を示した。

 伊藤さんは被害を告発した後、自分に落ち度があったと女性から責められた体験を証言。警察の捜査では人形を使いながら性的暴行の状況を再現させられ、つらい思いをしたと振り返り、被害者を支える態勢も不十分だと指摘した。

 日本では性暴力が社会問題ではなく、あくまで「個人の問題」ととらえられていると分析。こうした社会環境を変えていくため、より多くの人と助け合いながら性暴力などの被害に声を上げる「#WeToo」(「私たちも」の意)運動を新たに始めたという。

 伊藤さんは2015年4月にTBS記者(当時)の男性から性暴力を受けたとして、準強姦(ごうかん)容疑で警視庁に被害届を提出したが、東京地検は男性を不起訴処分にした。伊藤さんは17年5月に検察審査会に審査を求めた後、記者会見して被害を公にしたが、同9月に「不起訴相当」の議決を受けた。(共同)