【外務省】中国が新たな掘削船 政府は抗議 東シナ海のガス田開発で

河野太郎外相は29日の閣議後の記者会見で、東シナ海日中中間線付近に中国の新たなガス田開発の掘削船を確認したと明らかにした。「まだ海洋の境界線が画定していない状況で、日中の友好親善にプラスにはならない。日本として厳重に抗議した」と語った。

 日本政府関係者によると、政府は6月下旬に中国の移動式の掘削船が中間線付近に停船していることを確認。外交ルートを通じて中国側に「一方的な開発に向けた行為を継続していることは極めて遺憾だ」と申し入れた。中国は中間線の中国側の海域に16基のガス田掘削施設を設置しており、掘削作業を進めている可能性がある。

 日中両政府は2008年にガス田の共同開発などで合意したが、交渉は中断している。菅義偉官房長官は記者会見で「早期に協議を再開し、合意を実施するよう強く求めていきたい」と話した。

2018/6/29 11:20 (2018/6/29 13:19更新)
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3239856029062018EA3000/