【大口病院中毒死】元同僚「看護師は全員疑われた…」 患者死亡の5か月前からエプロンが切り裂かれ、ペットボトル飲料から漂白剤のにおい

「今でも被害者の顔が浮かぶ。看護師は全員、犯人と疑われた。ようやくそうじゃないと証明された」。横浜市の旧大口病院で2016年9月、入院患者2人が中毒死した事件。西川惣蔵さん(当時88歳)を殺害したとして逮捕された元看護師、久保木愛弓容疑者(31)の元同僚の女性は、そう語った。大口病院は事件の後、入院病棟を閉鎖し、看護師らを退職させた。再就職先探しでは経歴が足かせになるのを恐れ、履歴書に「大口病院勤務」と書くのをためらった。

 容疑者への怒りとともに病院への憤りも募る。16年9月に西川さんが死亡する約5カ月前から看護師のエプロンが切り裂かれたり、ペットボトル飲料から漂白剤のようなにおいがしたりするトラブルが相次いだ。殺人事件との関連は不明だが、元同僚の女性は「あの時に病院が対処していれば事件はなかったかもしれない」と話す。

 病院の近くに住む男性(83)は事件発覚の少し前、知人の高齢男性が同病院で亡くなったという。

 西川さんや八巻さんが入院していた4階は終末期の患者向けで、16年7~9月に48人が死亡。久保木容疑者は任意の事情聴取で「20人ぐらいに消毒液を投与した」との趣旨の話をしたという。【国本愛、杉山雄飛】

毎日新聞2018年7月9日 19時56分(最終更新 7月9日 21時41分)
https://mainichi.jp/articles/20180710/k00/00m/040/088000c